68 展覧会 8)写真撮影
「写真撮影は固くお断りします」という展覧会も多いようです。古美術で作品保護のためにカメラのフラッシュなどもってのほか、というのなら止むをえませんが、私の作品などはこんな時でなければフラッシュなどあたらないのだから、お断りどころか歓迎します、と言いたいほどです。フラッシュなど数百回あたっても壊れる恐れはないでしょう。
恐る恐る「あの、写真とってよろしいでしょうか。」と申し出る奥ゆかしい人があります。「どうぞどうぞ。よろしければ、あなたも写してあげましょう。」とサービス精神を発揮するなんてお手のものです。
作品写真を撮ることがどれほど大変なことか、プロにまかせてその仕事ぶりをとくと拝見している私には、ケータイやデジカメで写されたものの程度はたかが知れています。著作権侵害だとメクジラを立てるには及びません。それよりも気持ちよくこの空間に身を置いてくださることのほうを大切にしたいし、その写真がその人の思い出の一コマになり、誰か他の方が見ることにでもなれば、ありがたいことです。
私のおやじは全く正反対で、会場にカメラを持って入ってくるだけで「あいつを追い出せ」と嫌っていました。彼の間尺では「無断で我が作品を撮影するなど無礼きわまりない」ことになるわけです。つまり自分の顔が並んでいるのと同じで、勝手に撮られるのはプライバシーの侵害でもあったのでしょう。そういえば彼自身は写真に撮られることが嫌いでした。心の底に「魂が抜き取られる」ことを恐れる江戸時代の人間が潜んでいたのかもしれません。
そんなわけで我が「青溪会展」もせがれの代になって「写真撮影厳禁」を解除・開放して、めでたくかしこ、というわけです。
掲載日時 2010 年 06 月 06 日 - PM 01 : 47
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