34 木の文化(11)板は暴れる - 書道コラム

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34 木の文化(11)板は暴れる

 彫る前に板は充分に乾燥させておかねばなりません。これは彫ることに限らず、家を建てる場合にも、およそ板を扱う人なら「いろはのいの字」です。ではどのくらい寝かせればよいのでしょうか。

 比較的おとなしい板もあり、ケヤキのようにいつまでも暴れ狂う悪いのもいます。ですから、一律に何年寝かせればよいという原則はあるようでないのです。材木屋に並んでいる木も乾燥具合はさまざまで、尋ねてはみるものの、最終的には自分の判断で、自分が責任を負うしかありません。サクラならサクラの重みを経験的に知っていて、このくらいの大きさならば「おや、思ったより軽いぞ。けっこう枯れているな」とか「これはまだあばれるな」とか、まあ、私なりに努力はしているのです。

 厚みのない板は額に入れるのですが、板が薄いだけに暴れるとしまつが悪く、ひどいときには割れることさえあります。湿度を吸って膨らんだり、乾燥してしぼんだり、けっこう板は動くのです。そこで額縁屋さんには「左右に2ミリずつアソビをつけてください」と断っておかないと、ピッタリ合わせられて、中でシナっていたことがあります。

 時がたつにつれて捻じ曲がったり、反ったりするのは大なり小なりあることで、それがあまりに顕著な木は「材」には向きません。また木の姿からもそれが読み取れます。例えばモミジは床柱にはなっても、モミジの板というのは材木屋にはありません。あんなにくねる枝を伸ばす木なのだから、胴体の心底からクネクネしているのでしょう。

 大木になるような木なら良材でしょうか。例えばブナは原生林の象徴ですが、私はブナ材をあまり眼にしたことがありません。資源が枯渇し今では伐採禁止にひとしい貴重品のようです。伐られなければ材にはならず、私の仕事相手にならないのです。

掲載日時 2009 年 04 月 10 日 - PM 08 : 58

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