31 木の文化(8)ケヤキの皮を活かす - 書道コラム

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31 木の文化(8)ケヤキの皮を活かす

null 材木にするために樹木は皮をはぎとられます。長野県の秋山郷にある木工組合のSさんは、剥がされたケヤキの皮のあまりの美しさに「捨てるのではなく、何とか利用できないか」と思案した挙句、漆を塗って菓子器にすることを思いつきました。据わりをよくするために曲がりの外側の表皮を少し削って完成です。でも表皮は器の裏に隠れてしまい、見えるのは何の変哲も無い木の内側です。

 一方、私は木工品の物産展を見て歩くなかで、この「菓子器」に出会いました。こんな材は見たことも無い、と私はケヤキの皮に見とれていました。するとSさんは「それは裏です。こうしてお菓子をのせてください。」と言うので、「いや私はこの裏を使いたいのです」と答えました。写真はその作品です。どうです、見事な樹皮ではありませんか。

 いくつか作りましたが、別の作は、このサイトの作品紹介「岡村大の作品」(番号:大00009)にもあります(◎瀧頭花一点三つほどスクロールしてさかのぼってください)。皮とはいえ漆で固めてあるので充分堅牢です。

 これを捨てるにしのびないという心情は、察するに余りある木への愛着です。幸い書刻は器では発揮しきれない美点を活かす事ができます。ケヤキの皮が「やれやれ」と胸をなでおろしてくれれば、私としては本望なのですが・・・

萬事随縁 30×36 2002年作 すべてのことはエコロジカルにつながっている、という意味になろうか。

掲載日時 2009 年 03 月 22 日 - PM 05 : 04

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