28 木の文化(5)木目に惚れる
木について一般的な感想をのべてきましたから、このあたりで私と木とのかかわりを具体的に書いてみようと思います。
松本の「市民タイムズ」紙の取材をうけたとき、「書いてから板を探すのですか」と聞かれたので「そういうこともありますが、板を見て文意や詩句が頭に浮かぶこともあります」と言いました。
板には木目があり、中にはすばらしい造化の妙に心を奪われることがあります。木目はなんらかのイメージを誘う魔力もあります。最近ではあまり知られていませんが、シオジ(塩地)という木があります。木曽の特産でもあり、かつては箪笥の戸などに用いられていたので、見覚えのあるかたもありましょう。

私の作品ですが、これが「シオジ」です。拭き漆をかけてあります。
これほどの木目がどうして生まれるのか不思議じゃありませんか。根っこのほうのうんとヒネクレたあたりかもしれません。こんな板に出会うと、板が私に「どうだい。俺にかかってこいや」と挑発するのです。
掲載日時 2009 年 03 月 08 日 - PM 04 : 46
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