56 光化門 - 書道コラム

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56 光化門

 愚か者の放火によって韓国ソウルの南大門が焼け落ちたことは多くの人にショックを与えました。一方景福宮の光化門(クァンファムン)は最近その復元工事が始まっていると新聞にありました。光化門は何度も火災にあっていて、そのつど復興されてきたようですが、今回は「木造」による全面的な復元であるらしく、その図面は日本に残る記録にもとづくもののようです。

 韓国にとってこの門は植民地時代を生き延びた建造物で、民族独立の象徴ともいえるものです。国を挙げて復元する思いには「朝鮮総督府」のいまわしい記憶と結びつかないではいられません。王宮のほとんどが破壊され、総督府の正面はけしからんと、無理やり位置を変えさせられた怨みがあります。(日本統治時代に作られた図面が役に立つというのは皮肉ではありますが)。

 オール木造を計画すると、かつての門額(木額)をも復活させねばなりません。その門額は英祖王の筆跡で漢字で「光化門」とあり、コンクリートで再建された門のハングル(朴正熙大統領の書)ではないのです。ハングルも民族独立の証しのようなものですから、漢字にするな、いや朴大統領の字はふさわしくない、などと論争になっていると書かれていました。

 韓国は日本より古い漢字文化国で、漢字の流入は日本の奈良時代よりはるかに早いでしょう。ハングルが民族独立と強く結びついているために「漢字」まで日本の植民地政策の遺物のひとつに思うのはお門違いというものです。韓国の書文化はハングルの普及のために日陰者になっているのではないでしょうか。私は日本以上にすぐれた韓国書家があっただろうと思います。ただ余り紹介されていないので、寡聞にしてよく存知ません。

 漢字文化を持ったことに私は誇りを持っていますが、韓国書人も同じ思いがあるのではないでしょうか。漢字もとんだトバッチリを受けたものです。

掲載日時 2010 年 01 月 30 日 - PM 04 : 25

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