99 人もをし - 手本・百人一首

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99 人もをし

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99 人もをし 人もうらめし あぢきなく
   世を思ふゆゑに もの思ふ身は (後鳥羽院)


【現代語訳】
 人がいとおしいこともあるし、恨めしいこともある。あじけないこの世の中を思うからだろう。詩心を保とうとするこの私の身には。

【文字表記の注】
 作者である後鳥羽院のことを考えれば、「世を思ふ」と「もの思ふ」との対句は、政治の世界と短歌の世界とのはざまに身を置いた実感だっただろうと思います。承久の乱の後、9年前のこの歌を百人一首に採りあげた定家には、この「人」が自分を指しているように思えたことでしょう。定家と後鳥羽院との対立は承久の乱を境に明暗を分け、院は隠岐に流されて失意の日々を送ったのに対し、定家は時流に乗って昇進を重ねたのです。
 「をし」は「愛し」。「うらめし」は怨か恨か憾か解釈の違いが出ますので、無難に「ひらがな表記」にして含みをもたせます。「もの思ふ」は再三注記しているように、恋愛歌を根底にすえた詩的世界を意味していると思います。
 作者「ごとばゐん」は隠岐遠島19年ののちその地で亡くなりました。

掲載日時 2009 年 11 月 20 日 - 午後 01 : 53

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