95 おほけなく  - 手本・百人一首

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95 おほけなく 

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95 おほけなく うき世の民に おほふかな
   わがたつ杣に 墨染の袖 (前大僧正 慈円)


【現代語訳】
 身のほどもなく、浮き世の民に仏教の衣を覆いかぶせることになった私です。私のよって立つ比叡山は杣山で、み仏の与えられた墨染めの衣の袖に身を寄せなされ。

【文字表記の注】
 「おほけなく」とは「分不相応に」という謙虚な言葉。杣(そま)は植林した木のある山。ヒノキやスギが植えられていたのでしょう。
 今度は四行書き。「の民」はやや不自然な改行ですが、行頭に漢字を置くことを避けるために、しばしば使われる手法です。「墨染(すみぞめ)」は漢字二字で表しますが、「墨染め」とおくりがなをふるのもいいと思います。
 作者「さきのだいそうじやう じゑん」は#76の法性寺入道忠通の子。権門の貴人で、四度も天台座主を務めた仏教界の大御所。「おほけなく」がそらぞらしいほどの第一人者です。


掲載日時 2009 年 11 月 20 日 - 午後 01 : 39

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