93 世のなかは - 手本・百人一首

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93 世のなかは

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93 世の中は つねにもがもな 渚こぐ
   あまの小舟の 綱手かなしも (鎌倉右大臣 源 実朝)


【現代語訳】
 世の中は常に変わらぬすがたであってほしいものだ。あの渚のあたりを漕ぎまわっていた漁師の小舟も、一旦は綱を引いて陸へ引き上げるのだ。引く手があってこそ出直す明日がある。理想的な眺めではないか。

【文字表記の注』
 多くの解釈には何故「舟の綱手」が「不変の世」に結びつくのか、納得の行く説明がなされていません。したがって「上の句」と下の句」の必然的な感動が伝わってこないのです。川舟も海の舟も「引き綱」があるように、政治家の処する「世の中」にほしいものは「引き綱」ではないでしょうか。ときどき巻き戻してこそ、明日という未来が開ける。鎌倉の三代将軍である実朝にはその思いが強かったのではないかと思います。
 今度の「散らし」は単純な「段落し」。小細工をしないのもかえってモダンに見えます。
 作者は「かまくらのうだいじん みなもとのさねとも」。頼朝の血を引く最後の将軍。北條氏の抬頭でオセオセの世の中にうんざりして、王朝時代に戻りたかったのかもしれません。

掲載日時 2009 年 11 月 20 日 - PM 01 : 32

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