92 わが袖は - 手本・百人一首

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92 わが袖は

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92 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
   人こそしらね かわくまもなし (二條院讃岐)


【現代語訳】
 私の袖は、引き潮になっても見えない沖の石のように、人知れず波に隠れて涙の乾く暇もありません。

【文字表記の注』
 「乾く」は「かわく」で、「かはく」ではありません。今のように「衣の袖」や「たもと」というゆったりとした衣服がない時代には、袖が涙の代名詞だったことや、「袖で顔を隠す」ようなエレガントなしぐさも過去のものになっています。今の洋服の袖では顔も隠れません。
 今度の「散らし」は二段書きです。こういう書き方でもよいのです。和歌を書くということは、このような自由な発想を可能にします。書物の活字だけで和歌を読んでいる人から見れば斬新です。
 作者は二條院(にでうゐん」に仕えた女房。父・源三位頼政(げんざんみよりまさ)の所領は「若狭」だから、「さぬき」は彼女の名前かもしれない。とすると、珍しく名前のわかる女性といえるかもしれません。

掲載日時 2009 年 11 月 20 日 - PM 01 : 30

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