91 きりぎりす

91 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき ひとりかも寝む
(後京極摂政前太政大臣 藤原良経)
【現代語訳】
きりぎりすがしきりに鳴いているよ。霜夜の寒々とした筵(むしろ)に、衣の片側を敷いてこのまま独りで寝るのだろうか。共寝する相手もなく。
【文字表記の注】
「きりぎりす」は今のコウロギのようですが、「きりぎり」という言葉の響きも捨てがたく、そのままにしました。「あなたを待って」とすれば女の立場に立った歌になります。ゴロ寝をしている男の歌ともとれます。作者は大物ですから、「筵に衣を片敷いて」というような生活はなかったはずで、したがってこれはフィクションです。
この散らしは三つの部分から成っています。このように書いても読むほうは一向に困らなかったので、かな書ではよく使われるパターンです。このあといくつかこの例示をしてみましょう。
作者は「ごきやうごく せっしやう さきのだいじやうだいじん ふぢはらのよしつね」。
掲載日時 2009 年 11 月 20 日 - PM 01 : 23
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