81 ほととぎす

81 ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただ有明の 月ぞのこれる (後徳大寺左大臣 藤原実定)
【現代語訳】
ほととぎすの鳴き声。おや、と思ってそちらに目をやれば、ほととぎすの姿はなく、ただ有明の月だけが空に残っているばかり。
【文字表記の注】
「鳴」の字のかなの崩しかたは表記のようになります。漢字の草書では「鳥」のアタマがつきます。「方を」の「を」をちょっと左にずらせて「ながむれば」に近づけています。助詞のあしらい方は大切ですので、その位置には工夫が要ります。「ながむれば」の「むれ」、「のこれる」の「これ」は、どちらも「れ」につなぐ連綿です。ここで練習しておきましょう。
ほととぎすの鳴き声は万葉の時代からつねに愛玩の対象でした。初音を誰が最初に聞いたか競う様が『枕草子』にも出ています。「東京特許キョカキョク」でしたね。声はすれども姿は見えず、殿方を待つ女性の視点です。
作者は「ごとくだいじのさだいじん ふぢはらのさねさだ」。祖父・徳大寺左大臣と区別して「後」をつけます。この歌から再び作者名をあとにしています。
掲載日時 2009 年 11 月 15 日 - PM 02 : 26
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