65 うらみわび

65 うらみわび ほさぬ袖だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ (相模)
【現代語訳】
あなたを怨みわび、涙にぬれたまま干そうともしない袖が、ここに歴然とあるというのに、そのうちに乾いてしまって「恋に朽ちはてたあの人」なんて言われるのかしら。口惜しいじゃありませんか。
【文字表記の注】
前の歌と同じに3句目と5句目を下げました。3句目を少し右に寄せています。これだけで行間の違いが出ます。初句の次の空間と3句のあとの空間です。つまり上の句と下の句との行間が強められたのです。和歌の性格上、このような配置は「定型」と考えてもよいでしょう。
二つあとの67にも「名こそ惜しけれ」が出ますので、ここはひらがなで「をしけれ」、67を「惜しけれ」と変えています。
「あるものを」は、さすがにどの本も「物」としていません。
作者は「さがみ」。
掲載日時 2009 年 08 月 02 日 - PM 04 : 29
