58 ありま山 - 手本・百人一首

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58 ありま山

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58 ありま山 ゐなのささはら 風ふけば
   いでそよ人を 忘れやはする (大弐三位)


【現代語訳】
 有馬山をのぞむ猪名のささ原に、そよとでも風が吹けば、あなたと違ってそれだけで、いとしいあなたを忘れたりするものですか。

【文字表記の注】
 有馬山も猪名も実在の地名。これを巧みに用いて、相手を思う心がありやなしやという歌の主題が「有り」「ゐな(否)」の二語で示されています。
 「ささはら」は「笹原」の漢字をあてるのが穏当です。「篠原」とする本もありますが「しのはら」とも読めるのでまぎらわしくなります。ルビをふればいいじゃないか、と考える人もあるでしょうが、それは今日の書籍にあること。伝統のかな書にルビはありません。
 「いで」は感動詞。「さあ」。「そよ」は「それよ」。「風がふけば、さあそれですよ。そのそよ風ですよ。私のいいたいのは」。人を忘れること有りの男と否の女のかけあいです。
 作者は「だいにのさんみ」。紫式部の娘。

掲載日時 2009 年 07 月 31 日 - 午後 01 : 01

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