51 かくとだに

51 かくとだに えやは伊吹の さしも草
さしも知らじな もゆる思ひを (藤原実方朝臣)
【現代語訳】
これほどに思っているのだと伝えたいけれども、どうして言い出せようか。伊吹の山のさしも草のように火がついてくすぶってばかり。そんなだとあなたは知りますまい。もぐさが燃えているような私のことを。
【文字表記の注】
「伊吹」は地名であるとともに「言ふ」とかねています。「さしも」は「それほどであるとも」の意味で「さしも草」とつなげています。このような技巧的な歌は字で表現しようとするよりも、素直にわかりやすく書くことがよいでしょう。「さしも」は見せ場ですから敢えて同形にまとめます。
作者は「ふぢはらのさねかたの あそん」。
掲載日時 2009 年 07 月 31 日 - 午後 12 : 32
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