48 風をいたみ

48 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを 思ふころかな (源 重之)
【現代語訳】
風が激しいので、波が岩に打ちつけて砕け散るように、私の恋も一方的こ、こなごなになって、今頃はもうあなたとのことばかり思われることだよ。
【文字表記の注】
「ものを思ふ」ははっきり言えば「性愛をイメージしている」表現で、それは前に出た43の「むかしはものを思はざりけり」の歌にも明らかです。「物(ぶつ)」であっては困ります。「あなたのこと」ではなく「あなたとのこと」と訳した所以です。
「おのれのみ」とありますので、相手はともかく「自分ばかりが一方的に」ダメージを受けたと言っています。あなたはすましておられるが、とさりげなく相手をたてたのです。
作者は「みなもとのしげゆき」。
掲載日時 2009 年 07 月 25 日 - 午後 03 : 23
