25 名にし負はば

25 名にし負はゞ 逢坂山の さねかづら
人に知られで 来るよしもがな (三条右大臣・藤原定方)
【現代語訳】
名にしおう逢坂山ならば、「逢う」ことが適いますように。サネカヅラの蔓(つる)を手繰り寄せるように、こっそりあなたに近寄る方法があってほしいものです。
【文字表記の注】
「逢坂山(あふさかやま)」は「逢う」という漢字があるので、文字通り恋人と逢う歌にはもってこいです。「さねカヅラ」の「さね」を「さ寝」と掛けているとどの本にも書かれていますが、そこまで発展させて読まなくてもいいではありませんか。
「かづら」は蔓でしょう。葛はクズのように見えます。今の植物図鑑では「カズラ」と表記するようです。
「来る」は「繰る」との掛け言葉。この「来る」も前の「いま来むと」の歌と同じで、「逢いに行く」意味で使われています。
作者の表記は「さんでうのうだいじん」「ふぢはらのさだかた」。藤は「ふぢ」で、うっかり「ふじ」としそうです。
掲載日時 2009 年 07 月 10 日 - 午後 08 : 42
