22 吹くからに

22 吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべやまかぜを 嵐といふらむ (文屋康秀)
【現代語訳】
風が吹くと同時に、秋の草や木が萎れるので、どうりで「嵐」という字は「山」に「風」と書くのだなあ。
【文字表皮の注】
文字の構成要素を分解して歌にしてしまったという珍しい一首。文屋康秀という人は書をよくした人なのでしょうか。こんな屁理屈の歌はデキソコナイだとけなす人もありますが、字を書いていると文字の構成要素には敏感になるものです。ただし、「嵐」という字は中国では「山の気配」を意味し、日本では「激しい風雨」を意味します。同じ漢字でも意味がちがいます。
「萎る」は「しをる」。
作者は「ふんやのやすひで」。この歌は実は子の「朝康」のものであるらしいのですが、「百人一首」のたてまえに免じて康秀の歌としておく、というのが一般的です。朝康の歌は37にあり、やはり秋風をテーマにしています。
掲載日時 2009 年 07 月 10 日 - 午後 03 : 40
