14 みちのくの

14 みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに
みだれそめにし われならなくに (河原左大臣 源 融)
【現代語訳】
みちのくの、あの陸奥(むつ)の国の名産「信夫(しのぶ)もぢ摺り」の乱れ模様の布染めのように、どなたのせいで恋に乱れてしまっているとお思いか。そもそも乱れそめる私ではなかったはずなのに。
【文字表記の注】
「みちのく」は「道奥」とはせずに「陸奥」で「むつ」あるいは「みちのく」と読ませるようです。平安から鎌倉時代の用法です。
「もぢずり」は「捩(もぢ)る」と「摺(す)る」の合わさった語で、忍草(しのぶぐさ)を染料としてもみこすって染めた織物のようです。「もじづり」ではないので注意しましょう。
「たれ」は「だれ」でないほうがきれいに響きます。
作者は「かはらのさだいじん みなもとのとおる」。
掲載日時 2009 年 07 月 02 日 - 午後 05 : 41
